夜尿症(おねしょ)について

夜尿症(やにょうしょう)は、5歳を過ぎても月に数回以上のおねしょが続く状態をいいます。成長の過程でよく見られるもので、多くの場合、自然に改善していきます。
こんなときはご相談ください

- 小学校に入ってもおねしょが続いている
- 昼間のおもらしも見られる
- 急におねしょが始まった
- 子ども自身が気にしている
お子さんも「どうして?」と不安になることがあります。叱ったり、無理に起こしたりすることは逆効果になることも。まずはいちどご相談ください。
夜尿症の原因はいろいろあります
夜尿症の原因は一つではなく、いくつかの要因が組み合わさって起こることが多いです。

- 覚醒する能力の低下
尿意があっても目が覚めにくく、夜間に排尿できずおねしょにつながります。 - 膀胱の容量が少ない・勝手に収縮する
膀胱にためておける尿の量が少なかったり、膀胱が勝手に収縮してしまうことで、夜間に尿が漏れてしまいます。 - 夜間の多尿
夜間に作られる尿の量が多く、膀胱に収まりきらずに夜尿が起こります。
おうちでできる生活治療

夜尿症の治療は、生活習慣の見直しから始まります。日常のちょっとした工夫が、夜尿の改善につながることがあります。
- 日中の水分摂取を促す
お子さんによっては学校でほとんど水分を取らず、その分を夕方以降に補ってしまうことがあります。
日中にコップ7~8杯の水分を取るよう促し、日中の水分摂取を制限しないようにしましょう。 - カフェインの制限
カフェインには利尿作用があるため、夕方以降はお茶、コーヒー、コーラなどカフェインを含む飲み物は避けましょう。 - 就寝前の水分制限
就寝の2~3時間前からは、水分の摂取を控えるようにします。 - トイレ習慣の工夫
寝る前に2回、5~10分ほど間隔を空けてトイレに行く習慣をつけましょう。 - トイレ環境を整える
夜中にトイレに行きやすいように、廊下の照明を点けるなど工夫し、トイレ後は自分のベッドに戻るように促します。 - 夜尿の記録をつける
夜尿があった日・なかった日を記録しましょう。 夜尿がなかった日はしっかり褒めて、自信につなげます。夜尿があった日も責めず、安心させてあげることが大切です。
診療の流れを見る

夜尿症の診療は、まずお子さんの状態をしっかり把握するところから始まります。安心して受診していただけるよう、丁寧に進めていきます。
-
- 01問診
-
夜尿の頻度や時間帯、昼間の排尿の様子、これまでにかかった病気、生活リズムやストレスの有無などについてお聞きします。
-
- 02検査
-
必要に応じて以下のような検査を行います。
- 尿検査:感染や糖尿病の有無などを確認します。
- 血液検査:ホルモンや腎機能の状態を調べます。
- 超音波検査:膀胱や腎臓の形や大きさを確認します。
-
- 03治療
-
まずは生活習慣の見直し(生活療法)を行い、必要に応じて以下の治療法を組み合わせます。
- 薬物療法:尿量を減らす薬や膀胱の機能を調整する薬など。
- アラーム療法:夜尿をするとアラームが鳴ります。繰り返すことで、尿をためる力や夜尿を抑制する力が付き、夜尿症が改善します。
(処方による治療ではないので、直接機材を購入またはレンタルしていただく必要があります。)
ご予約は小児科・内科の予約枠でお願いします。
さらに詳しい内容については「おねしょ卒業プロジェクト」のホームページをご覧ください。
アラーム療法については(株)アワジテックの「ピスコ―ル」の利用を推奨しています。